イチカバチカスコシフシギ。/渦森今日子は宇宙に期待しない。
旅することにしたので、本棚をあさっていたら「渦森今日子は宇宙に期待しない。」が目に入って。
あ、そういえば。って思った。
最果タヒさんの小説である。
私はこの本をタイトルだけで買った。正確には表紙の絵も気になったのだが、なんというかジャケ買いだ。
時々小説をジャケ買いする。何でも読めるわけでもないくせに賭けたがる。打率は5割、五分五分といったところ。
私は最果タヒさんを知らなかった。奇妙な名であるな、と思った。正直、名については、不穏だな、と思った。
しかして今回はジャケ買いに勝った。大好物だった。日常とSFの間を一足跳びで越えてくるような感覚と、それだけではない、ぐにゃぐにゃしてキラキラした物語。いろいろ違うはずだが「ハルヒ」読んだときの気持ちを思い出した。
そして、最果タヒさんのことを知った。この人、詩人じゃん。
いや小説もたくさん書いてるのだけど。小説として大好きなこの小説を書いた人がメインはプロの詩人なのだとしたらじゃあ自分にとってプロの小説家ってなんなのだろう?って小さな混乱があった。
単純にプロはプロで小説は小説、詩は詩。別に引っ掛かるところじゃない。って、実は今でもあんまり思えない。肩書きを持つことにも才能を持つことにも、お門違いに嫉妬してるのだろうな。情けない。
そんないろんな感情がないまぜな「渦森今日子は宇宙に期待しない。」と最果タヒさん、なのである。
詩も小説も、もう少し読まねば。私のほうはあの人の宇宙に、期待してしまっている。