on the road./すずめの戸締り

新海誠さんの『すずめの戸締り』を観てきた。

少し前に別な映画を観に行ったときに予告編をやってて…まあ人気作なわけでそういうこともあるんだろうが…予告編がそこそこ長めの尺で…ネタバレってほどではないんだろうけどその情報予告編で出さなくてよくない?ってところまで出てて…いや、いらんだろ。ってなった。いらんっていうか出すなや。

まあそうね…別な映画を観に来てるその映画を観る気がない人をその気にさせるために予告編やってるわけだから…そういうこともあるのよね…。うーん。

モヤモヤしながら数日を過ごし、ようやっと観たのだ。『すずめの戸締り』。

観る前に、予告編観てしまったのも含め、予感があった。

私は実をいうと新海さんの作品で苦手だったものがある。新海さんについてはよくドヤ顔で語ってしまうので大好きだと思われがちなのだが、実際大好きというならそうなのだが。苦手な作品もある。今回、端々の情報を眺めるに、「これってもしかして私苦手なほうじゃない?」って不安があったのだ。

うまくいえない。評論家みたいな物言いがしたいわけじゃない。ただ、そんな気がしていた。

まあ、気のせいだった。そんな気持ちは秒で吹っ飛んだ。とても面白かった。なんてレベルではやはりない…面白かった。

…よく考えたらネタバレにならずに書けることがあまりない。誰も見てないとは思うが、この記事冒頭であんな感じで言っちゃったし、最小限に。

 

「旅」の物語であることが、何故だかすごく嬉しかった。現代の日本の様々な、特別な場所ではない日常とか風景を描くこと、それが過不足なくキラキラした、今生きている私達の財産であることを見せてくれる。それが物理的な移動とともに繋がって重なって、拡がっていく。単純な私は単純に、ああ、いいな、旅、したいな。って思った。

旅にまつわって増えるもの、減るもの。進むもの、返るもの。描き方がおそろしく丁寧だ。ああ、それこそが、旅なのだ。

そんな旅とか、出会いとか成長とかアクションとかひっくるめてなんとなく「…ファイナルファンタジー…みたいだな…」って感想になった自分にちょっと笑ってしまった。うまく言えないが間合いというか在り方というか、どこか大好きな部分が似ている、気がすることに気付いてずっとニヤニヤしている。

他にも話したいことは山ほどあるのだが…時間を置こう。たぶんもう一回くらい観に行きそうだしな。