新井素子さんと「グリーン・レクイエム」

本。

新井素子さん「グリーン・レクイエム」

「グリーン・レクイエム」「週に一度のお食事を」「宇宙魚顛末記」。

最近、有川浩(ひろ)さんの本をちょいちょい読ませていただいていて。とっても面白い。そして。

新井素子さん思い出すなーと(有川さんご本人も影響を受けた作家に挙げてらしたと思う)。そしてやっぱり新井素子さん好きだなと。夢中で読んでたあの頃を思い出しちゃうなと。

そう、あれはまだ、ライトノベルがライトノベルという名を持たなかったころのお話。

小説というジャンルを掴みかねていたあの頃の私に落ちてきた核爆弾それが新井素子さんだった。

最初の一冊が「グリーン・レクイエム」。(一応、本稿では小説タイトル「グリーン・レクイエム」ではなく、3篇の短編(中編?)集、文庫本としての「グリーン・レクイエム」について書かせてもらってます)

簡単なようで真似できない自由な文体。「文」と「理」がせめぎ合い昇華するような発想力。教科書的にしか文学を捉えられなかった私には、まさしく羽根が生えているように自由に見えた。

なんなら今も「宇宙魚顛末記」のこと思い出そうとして「え…これってもしかしてセカイ系?元祖セカイ系なの?」ってなった。こわい。

そして構成だけでない、ヒトの生への暖かい目線を感じる心理描写とセリフ。「グリーン・レクイエム」の最後のセリフにほっぺたひっぱたかれたみたいな気持ちになった、「宇宙魚顛末記」の主人公の気付きからの展開には鳥肌立った。特に女の子の強さと弱さひっくるめて美しさみたいなものを映す文章ひとつひとつが、今でも私の栄養と燃料になってる気がするのだ。

んで。

文学界のことはよくわからないけど、一般的にはあまりお名前を聞かない気がするのだが気のせいか。私が好きすぎるだけなのか?やっぱ文体苦手な人も多いのだろうか?もう教科書に載ればいいのにって思ってるの私だけか。

(むしろ既に載ってるに違いないって一回調べた、多分ない。何故だ!)

ただの贔屓目か。ただ、小説読む人は自分の引き出しに入れておいて損はない、と思う、んだけどな。

いかんいかん、大きな話のふりしてしまった。別に人のことはどうでもいいのだ。死ぬまでときどき、読み返すだろう。それだけだ。