DANCE with “MATRIX”.

映画「マトリックス」。

2と3をほぼ観ていない。そのうち嫌でも観るだろとなんとなく思ってたのに。

たぶん、2と3も面白いけど、1で完結してると思っといてもいいやつなんじゃないか?いやダメか。作品世界が存在する限りは称賛も批判も観てからだ。

「みてからだ」って変換したら「見て身体」になった。ナチュラルボーンエロス!

えーと。

「マトリックス」で好きなキャラがいる。

スイッチ(コードネーム)。

仮想世界でも現実世界と同じ姿の登場人物が多い中、彼女(現実世界では女性)は仮想世界で男性のアバターを使う。だからコードネーム「スイッチ」。当時のインターネット情勢を映す設定のひとつとして、いわゆる「ネカマ」とかの存在を盛り込んだのだと思う。

書いてて思ったが「現実ではむさいおっさんが仮想世界では美少女」みたいな設定も可能なわけだがそっちじゃなくてほんとよかった。そんな本気ハリウッド見たくない。

ビジュアル的には宝塚的な、男装の麗人的な。そういうキャラ好きだけど、実際「世界観の雰囲気説明キャラの1人」って感じで脇役なのよね。

って思ってたんだけど、最後のセリフがなんだかよかった。

仲間の理不尽な裏切りによって同志が為す術なく次々と倒れる中、次は自分の番だと悟ったスイッチは、目を伏せて静かに呟いて、倒れる。

「…こんな終わり方はイヤ」(バツン!)

シンプルなセリフなんだけど。闘って終わりたい、どれだけ惨めに負けるとしても、闘って死ぬなら本望と覚悟を決めているそれなのにこんな終わり方…みたいな、静かな怒りと無念が滲む。ほんの一瞬で描くこの脇役の死が、個人的この作品で一番のシーンだった。

(余談だが上記セリフは字幕版。金ローかなんかでは吹替えで「こんなのやだよ!」だった。個人的には違う違うそうじゃそうじゃないだった。訳って大事。)

脇役の美学である。「プレデターのネイティブの人」とか大好きだ。

まあよく考えたらスイッチのキャラクター設定とこのストーリー上の役回りは関係ないので、単に脚本と演出がいいってことなのよね。2と3にもそんな好きなシーンが、本筋関係なくグッと来ちゃうシーンがまだまだあるのかもしれない。観ねばな。