DECIDED-DECADE.／スカイツリー
今年はスカイツリー誕生10年だそうだ。電車の中吊り広告でなんか見た。
あれ？
まだ10周年なのか。
ざっくりと、ただざっくりと、
物心ついたときからあったような気がしていたことに気付く。
いやたしか、スカイツリー「タウン」10周年、って書いてあったな。そうかスカイツリーとスカイツリータウンは別々の話…ではなかった。調べたらちゃんとスカイツリー10周年だわ。
大体こういうときは「もう10年も経っちゃったのかよ！」のほうが多い気がするのだが。今回は「え、まだ10年なの…？」であり逆パターン。
記憶を掘り返せば、確かに造ってたしオープンしてた。10年だ。いや10年か？どこまでいっても腑に落ちねえ。なんだこれ。
なぜだか、なんだかずっと、そこにいた気がして。
東京に来て、東京タワーを初めて間近に見て、うっかりちょっと涙ぐんでしまったときも、あいつも同じ空の下にいたように、思うのだ。
憧れのような、懐かしさのような、誇りのような、何かが生み出す、記憶の誤謬。
こうしてウソ昔語りするめんどくさい老人になっていくのか。ふん。いいさ、面白おかしく語ってやるとも。
まあつまり…言うなればこの10年が、自分にとってそれだけ濃いものになってたってことなのかな。まあ、善きにつけ悪しきにつけ。
『10年早いと言われ、10年経った。この椅子が温かいのは、僕らが一緒に歳をとってきた証拠だ。』
うろ覚えの、とある地方のお酒のCMだ。銘柄すらうろ覚えで正解がわからないのに、時の流れを感じるたびに思い出す。
10年経ったのだ。私にとって区切りになる10年ではないけれど。10年立っててくれてる彼に、そのうち会いに行こうと思う。