これから先のもっと先を。/チノカテ
「魔法のリノベ」というドラマを観ている。
ドラマなんて何年もまともに観ていなかったのに。今のところ毎週欠かさずリアルタイムで観ている。
ただヨルシカさんが主題歌を歌っているからという理由なのが、我ながら狂っているなと思う。
ヨルシカの『チノカテ』。
優しい歌だ。ドラマの雰囲気によく合ってる気がする。
夕日。一日を振り返り、これからを思う。この生活の「日々の糧」と、それが行きつく先の「地の果て」みたいなものとを合わせた感じのタイトルなのかな。と思ったのだけど。
まず歌詞の最後聞いてて「書を捨てよ、町へ出よう」じゃないか。ってなった。油断した、こいつも文学オマージュか。私に寺山修司さんをぶつけてくるたぁいい度胸だやってやんよ、と思ったのだが。
調べてみたら「書を捨てよ、町へ出よう」という言葉の元ネタはとある海外文学作品の中にあり、その作品のタイトルが「地の糧」なのだ。
知らなかった。一般教養範囲だろうか。恥ずかしい。ちょっと知識のある寺山さんの話が出たと思ってドヤ顔で聴きに行ったら知らない元ネタの話出てきた。超恥ずかしい。
まだ知らない知らなくても死なないけど知ってたほうが楽しいことがどんだけあるんだこの星は。未熟。
反省しながら『チノカテ』を聴いている。そんな私にもこの歌は優しい。
そしてドラマ「魔法のリノベ」なんだかんだ面白い。テーマもノリも好きだし、なにより毎週楽しみにしちゃってる自分が面白い。
知らなかったものが知らなかった自分を連れてくる。日々の糧が世界を変えて、行きつく果てをより面白い場所にしていく。まだ死ねない。ありがたいことだ。