Terminate “Terminal-S”./帝都物語

昭和の日。

今年は昭和97年なのだ。

思い立ってというかたまたま見かけて、

映画の「帝都物語」を観た。

ぶっとんでんなこの映画。

当時の角川の狂いっぷりがすごい。そりゃベストセラーを映画にするのはいいけどここまで端折って詰め込むか。原作読んでても追いつかないよ。逆にこの規模で制作してて予備知識ゼロの人ここまで置いてけぼりなのもいいのか。誰が誰とどうやって闘ってるのかちゃんとわかるのかこれ。

でもギリギリのラインで。この映画はとてもいい。嶋田久作さんとてもいい。こんなに加藤な加藤は人類史上いないだろ。いやスタッフ方と嶋田久作さんの努力に私が吸い寄せられているのか。原作では単に「異様に顔の長い軍人」(笑)だものな。とにかく顔だけでなく最高に加藤だ。トニカクカトウ。

そして見直すにあたり、西村晃さんの美しさというか清さが染みに染みた。効果でホーリー感出してるが、そんなことしなくてもこの人自力でほんのり光るんじゃないかって思うほど。すごい。

たしかお父様だったかお祖父様だったか、肉親を演じられてるのだよな。本人もスタッフも気合い入ってる、それが完全に功を奏して、先人に捧げられている。滅茶苦茶かっこいいなこの人達。

がくてんそくー(泣)!!

懐かしさの中に、変わらぬものがある。「帝都大戦」も観よう。映画でどうだったのか覚えていないが、たしか原作では「昭和99年」が来るのだ。

ただ時が過ぎ、ただ当たり前にやってくる昭和99年。このさりげない、目くるめく倒錯。

そう、子供だった私にとって、それは疑いのないことだった。私が生まれて死ぬまでの日本の歴史は「昭和」であるのが必然だった。思えば不思議なことだ。子供だったとて考えればわかること。なのに、いつか終わる、その発想はなかった。

だから私にとって、昭和はただの元号ではない。

だから今日は、かつてあった昭和を想い、今も私の中で続く昭和を、悼むのだ。