タビノオワリノ。/ナナちゃん

名古屋に行って、ナナちゃんに会ってきたよ!

って。言ってみるのだが、リアクション薄。

敢えて情報少なめで言い出して楽しもうとしてるところはあるのだけど。ピンとこない人が多すぎてむーん。

まあ私だってナナちゃんに会いに行くためだけに名古屋行ったわけじゃないし、ていうか正直行くまで存在を意識してなかった。

はじめての名古屋は私には難しい街だった。

イベントがあって行くのだが。それ以外のついでの楽しみ、せっかく名古屋来たんだからコレ!があまり見つからない。

だいたい知らない土地に行くときはネットや「るるぶ」で適当に調べ、微妙な行きたいところが積もりつもってニヤニヤしてしまうものだが。美味しいもの食べ歩きのスキルがゼロの私には「城」と「神社」しか候補を設定できなかった。

名古屋出身の友人に聞いてみるが、食べ物の話しか出てこない(城と神社はマストだそうだが)。きっと名古屋、食べ物に関しては宝の山なのだろう。何時間並んででも食べるべき、流行り廃りだけではない、私にとって人生を変えるような1食が名古屋には眠っているのかも知れない。そこに興味なしで名古屋に行く私はきっと「もったいない」のだろうな。

そんな気持ちで当日となり、アレコレ考えつつ名古屋駅を出て歩いてたら、

ナナちゃん、いた。

見た瞬間に「あ、これだったのかもしれない」って思った。

彼女が誰なのか知らない。存在は知っていたけど、会うことなど一生ないだろうと、なんとなく思っていた。実際名古屋来るってのに忘れてた。でもナナちゃんはいてくれたのだ。

前述の、自分名古屋を無駄遣いしてるんじゃないかという思いは少しだけ払拭されて、私は彼女を見上げながら「あったわ…来た甲斐」と呟いたのだ。

歴史的建造物でもない、ご利益があるわけでも、イベントが発生するわけでもない。でもナナちゃんは今日も立ってる。あの、絶妙なサイズ感で、ちょうどいい違和感で。

滅茶苦茶すごいわけじゃない、のがすごくいい。私の中で勝手にマストになった。名古屋に行くときは、必ずご挨拶させていただく。