遠い遠い音楽。/キャロル&チューズデイ

「キャロル&チューズデイ」を観てる。途中。

ニューヨークのイメージなのかな、SFと融合する街並みの美しさ。現代でもレトロな音楽の存在感。いいアニメだな。大好きなアーティストさんのラジオから小さな縁を感じて観ることにした。感謝。

それにしても、2話目からは落ち着いて青春サクセスストーリーとして楽しめるようになったのでよかった、というかなんというか。

1話を観ている間は、震えが止まらなかったのだ。

人によっては「ありがちな話だよね」で流すところかもしれない。タイミングの問題もある。きっと私は最近弱っているんだ。しかしそれにしても、こんなにキラキラした物語があるのだろうかと、嫉妬と羨望で目眩がした。

踏み出す勇気と、世間知らずの無謀。出合いの偶然と必然。都市と新しい生活。音楽と才能。

どれひとつ、17歳の私が持っていなかった、持っていたかもしれないのに感じることができなかったもの。それが溢れていた。

常々「歳は関係ない」と言っている。「青春なんたら」とか「高校生の今しかできないこと」みたいな売り文句が吐き気がするほど嫌いだ。

本当はわかってる。羨ましくて羨ましくてどうしようもないのだ。そこに価値を認めることは敗北を意味する。戻らない時間を相手にするなど自殺行為だ。ただの強がりなのはわかってる、それでも、だからこそ「戻らない時間の価値」を人質にとるような方法を私は認めない。

なにひとつ生み出せなかった私の戻らない時間の価値は、私だけのものだ。綺麗な言葉で片付けられると、誰にでも同じようにあると、思うな。

そんな後ろ向きな気持ちと、ゆえにそれを、今をこれからを生きていく糧にするという前向きな気持ち。その綱渡りの細い線上に「キャロル&チューズデイ」は乗ってきたのだと思う。タイミングは今更、しかし出合いは必要なときにやってくる。

あとまだ序盤なのでよくわからないが、マクロスの匂いがする。たぶん「マクロス7」の匂いだ。マクロス7好きすぎな私の見識が狭いだけで、SFと音楽ってだけで勝手に、なのだろうか。

歌で銀河を救ったりはしないと思うんだが、それならそれでもアリだ。