KAMINO-DE.SIGN/超・履歴書

「超・履歴書」という作品を見かけて、鳥肌が立った。

京都芸術大学情報デザイン学科、長澤花咲さんの卒業制作…「レシートや駄菓子、バニラのトラックなど、日常的に目にするデザインのパスティーシュ」

こういうのもパスティーシュっていうのか。すごい。ありふれたものにありふれたものを掛け合わせて見たことないものを生み出す。選択、配置、相関、余白…「情報をデザインする」ということが肌で感じられる作品だと思った。

そして日常では意識しづらいが、この手の技術で世界は満たされているのだと再認識する。人が作るあらゆるもの、私が手に取る品物すべてが人にデザインされていて、さらにそこに乗る情報をデザインする技術とセンスを持つ者達が日々鎬を削っていると思うと、奥が深すぎてくらくらする。凄すぎて気持ち悪いな人間。

人が作ってないものは神のデザインか…あ、「天地創造デザイン部」か。あの漫画好き。

生き物だけじゃない、石も水も、風も炎も「そういうものとしてデザインされた」と考え始めると不思議な気持ちになる。センス半端ねえな神様。

「空洞の核」とか「輪ゴムだけで編んだ服」とか。アート系のとんでもない卒業制作とかときどき見つけて、世界を楽しむ方法はまだこんなにもたくさんあるのだと、その方法を探り高めることができる人がいるのだと、ため息をつく。嫉妬だ。日常を当たり前のもの、退屈なものとしてしか捉えられない私には辿り着けない領域。

私はせめて私の人生だけでも思うさまデザインしてやろうと、気を引き締めるのだ。