バイクを盗みに走り出せ。

世の中には2種類の人間がいる。

盗んだバイクで行く先もわからぬまま暗い夜のトバリの中へ走り出した奴と、そうしなかった奴だ。

そうしなかった奴には2種類いる。

バイクを盗んで走り出したかったけどできなかった奴と、バイク盗む?何それ意味あるの?とか言っちゃう奴だ。

尾崎豊さんは思春期のモヤモヤを言葉にした。言葉にできないモヤモヤを抱えていた少年少女達は、それを言葉にしてくれた彼に熱狂したのだと思う。ロックンロールってそういうことだと思う。決してバイクを盗んで走り出すこと自体がロックなわけではないが、実際に真似してバイク盗んでめっちゃ怒られた先輩方もいることだろう。それもまたよし。

そしてたぶん、誰かの真似事でなく自分の意志ですでにバイクを盗んで走り出していた奴は、この歌にまた違った感想を持ったのかもしれない。闘いたいという憧れの感情と、現在進行形で闘っている人の戦意はベクトルが違う。

そして、同じモヤモヤを抱えていない人間にはこの歌は刺さらない。バイクを盗まず、行儀良く真面目にできて、夜の校舎窓ガラス壊して回るなど想像もしない人間が、ではモヤモヤしておらず闘ってもいないのかというと、そんなこともない。闘う相手も闘い方も人それぞれだろう。けど。

私の中には不良とかヤンキーの文化に相対するベースが足りてないのかもしれない。極道ものもなんだかノれないところがある。好きで言えば「サンケンロック」「天上天下」…うまくジャンル分けできてない上にあのへん絵が好きすぎて判断力皆無。

今日の私は「東京リベンジャーズ」がいまいち刺さってこないことに、言い訳じみた感想を述べている、だけ。