バアチカルストレイト。/タテの国
最近「タテの国」という漫画を読んだ。スマホで。ちょっと見かけて読み始めてみたら大長編だった。
スマホのスクロールで縦読みすることに楽しさがある、みたいな触れ込みで、なにほどのものぞ、と思って見始めたけど、確かにその楽しさはあるんだけどそんなのぶっ飛ぶくらい面白かった。
面白いっていうかずるい。ずるいとか言っちゃいけないか。こんなに自由にSFを扱えるなんて。単語、現象、世界の在り方。好きなものを使ってこんなにうまく遊べるなんて。それを見ている私がこんなに楽しいなんて。くやしい。
物語は「タテの国」で始まり、旅路を経て世界の根幹に辿り着く、そして。SF的発想がてんこ盛り。展開がややこしくなりながらもサクサク読めるのは説明と描写が効果的だから、そして登場人物たちが「まっすぐ」だから、だろうか。予測を裏切り続ける展開と、その中にあって期待を希望を裏切らない主人公たち。読んでいて気持ちがいいのだ。このバランス感はありそうでなかなかない。
一気に三分の一くらい読んで、これはいかん長丁場だ、いったん休んでここから先は少しづつ行こうと思いいったん読むのをやめることには成功したのだが、翌日続きを読み始めたら気になりすぎてやめられず結局最後まで読んでほぼ徹夜。
ねむい。ねむいのに、あまりにも爽やかな読後感。よい話だった。思いがけない拾い物をした。感謝。
おそらく今私のSF感度はマックスである。『インターステラー』観ようっと。